さて
バルクにこのような決定的な死角がある以上、この馬を本命にすることなどという恐れ多いことはできなくなりました。ただ、Hペースになったときが未知なだけで、消しというわけではない。*1
ダービーなわけですから、そんな大荒れは期待できないという前提のもとで、何を本命にするかというと、やはり上位人気4頭の中から選ぶのが妥当。
で、バルクを除いた3頭。どれを本命にいたしましょう?普通ならハイアーゲームですが・・・。でもそれだとおもしろくない。*2
3頭で一番消したいのは、キングカメハメハ。だから敢えてこの馬を本命に。
ご存知松田国厩舎の無茶とも思われるNHKマイルC→ダービーのこのローテ。もう一度過去の結果を見直してみましょう。
- 01年、クロフネがマイルC1着→ダービー5着。
このときはマイルCを勝たなければダービーに出られなかったわけだから、マイルCの時にはほぼ仕上がった状態で、中2週のダービーに向けてさらに調子を上げることは難しかったのでしょう*3。しかも今となってはお馴染みのこのローテも当時は初の試み。手探り状態で仕上げ方にもう一つ不安があったのではないでしょうか?*4
- 02年、タニノギムレットが皐月3着→マイルC3着→ダービー1着
01年のクロフネの失敗を基に、翌年の02年も果敢に挑戦。しかも今度はさらに欲張って春にすでに3冠達成せんとするローテ。
結局1冠だけに終わったわけだが、3着ながらも大外から豪快に差を詰めてきた皐月賞。*5。
東京で、その豪快な末脚が生きると思われながらも、直線馬群に包まれ、接触しながらもまたも差し込んできたマイルC。
この2レース、ひょっとすると普通に大差で勝つよりストレスが溜まるレースではないだろうか?それなのに続くダービーでは見事な大外一気が決まった。
この年は強い競馬をしながらも、1つしか勝てなかったわけだが、内容としては3冠に相当するものであった。
つまりギムレットは状態面では何の問題も無かったのである。この時既に松田師はこの3歳春の無謀なローテを乗り切る何か秘訣のようなものを分かっていたのではないだろうか?
そして今年、同師はキングカメハメハでこの変則2冠を達成を狙っている。過去2回のほぼ成功しながらも失敗に終わった教訓を生かして、仕上げ状態は問題なしと見ていいだろう。
体調面が不安無しとなれば、あとはカメハメハの能力であるが、それは前走を見れば疑うところがない。*6
前走のマイルCで、僕は自信を持ってこの馬を消してました。普通は消すでしょ?だってそれまで良績が中距離で道中ゆったり流れて瞬発力勝負のレースに限られていたから。そんな中、1600に距離短縮で道中のペースが上がれば、追走手一杯の画がありありと思い浮かんだ。となれば喜んで消してしまう。
しかし、そんな死角もなんのその、道中も楽に追走して、直線ではムチを使うことなく楽勝であった。
厳しいペースが予想される今回のダービーでは、前走の経験がとてつもなくプラスに働く。
先ほど触れたハイアーゲームは瞬発力勝負に強いという点で、コスモバルク同様ちょっと不安。